美術館? |
でも、地上に出て、動物園の外観を見たとたん、ああ、来てよかったと思いましたね。なんと、入場門の前の電柱は、キリン模様。これはいいな。入場料は400ルーブル。さあ、動物園見学のはじまりです。
ロシアに来たら、動物園に行きたいというのは結構計画当初からありました。理由は、いくつか。ロシア絵本の仕事をしていて、ロシアの子どもや家族の様子を知りたいなとずっと思っていて、それがよくわかりそうな場所だということ。そして、ラチョフやロジャンコフスキーなど動物挿絵の名手が修練の場所として動物園でのスケッチをあげていることを知り、場所は違うにせよ、ロシアの動物園という場所を見てみたかったというのもあります。(ラチョフ氏宅訪問で、ラチョフ氏が実際にこの動物園に来てスケッチをしていたことがわかり嬉しかったな)まあ、外国の動物園、その動物園にいる動物ってどんな感じなのかなっていう単純な興味というのももちろんあります。
さてさて、まず目に飛び込んできたのは、水鳥たちの大きな大きな池。その周りを巡る感じで動物を見て歩きます。で、わりと最初に、日本猿のサル山がありました。国が違えども、日本猿といえばサル山なんだと思った次第。おや、下の方のバックヤードへの出入り口がオープンになっていますね。いつでも、下山して身を隠せるようになっているようです。
最初の方は鳥類が多いです。木を植え、なるべく自然に近い環境を考えているようです。そして、面白かったのが、きつねさんたち。飼い犬のように人なつっこくて、寄ってきます。小屋で寝ているきつねは何やら寝言を言っているし。
園内には、ぬいぐるみや絵葉書を売っている売店、それから軽食の売店があちこちにあり、いつでも一休みできるようになっています。ウィークディでしたから、お客さんのメインは、学童期前の比較的小さな子どもと、母親、そして、おじいちゃんとおばあちゃんたちです。「見て、見て」と歓声を上げながら目を輝かせる子どもたちを、にこやかにカメラに収める親の姿。これは万国共通ですね。子育て真っ只中の素のままの家族の姿を間近に見ることができる、動物園見学はよい選択だったと思います。そこには、結構がんばっているおじいちゃんやおばあちゃんの姿がありました。そういえば、祖父母世代が若い世代を助け、子育てを応援するというのは、母親でも働くことが当たり前のこの国でのごく普通の姿だと聞きました。こうやって3世代で動物園を楽しむ姿の中に子育ての事情も垣間見えるではありませんか。
こんにちは! |
動物たちはというと、驚いたのはいくつかの動物たちの家!です。まずは、象。王宮みたいな外観の、予想を超えた大きさを誇る象舎にびっくり。お庭もかなり広く、砂がしいてあり、水遊び場もついています。象舎の全てが象のスペースではないのかもしれませんが、この大きさは…。もしかすると、寒く長い冬の間、象舎の中だけで暮らさないといけないので、広いのかな。きっとそうですね。そして、ロバのお家。狼のお家。お家にばかり目が行ってしまいました。いずれもなかなか立派でした。
おしゃれなろばの家 |
キリンはぐっとこちらに寄ってきましたし、熊も友好的?でした。それは、嬉しいと思える出来事でしたし、なんだか、ありがたいことだとひとりぼっちの旅行者の心は和んだのは事実。動物の居住スペースを悠然と横切る猫、初めて見たこれまた野性の白黒カラス、突然の雨。そのどれもが旅の大切な思い出として胸に残っています。
スタンドでホットドッグと温かい紅茶を買ってお店のそばのテーブルで随分遅い昼食。しばらくして、親子連れがすぐ前に座りました。小さな女の子と目が合うと恥ずかしそうに微笑んでくれました。かわいいなあ。もう二度と会うことはないだろうこのこの子には「元気でね」と心で挨拶をしてそろそろ…
あ、忘れてました。この動物園のシンボルのご紹介をせねば。ロシアではあちこちで銅像を見るけれど、このあらゆる動物たちの銅像タワーの存在感は圧巻。で、よく見ると、騎士やロシア伝説の山姥、バーバヤガーのお家まで。すごい世界観。これは何か文献でもあったら詳しく読んでみたいかな。
実は今回、動物園の半分しか見ていないのです。さらに奥にも広い広いスペースがあるとは知りつつ、次にも行く場所があったので、また来たいなという気持ちを置いてモスクワ動物園にさよならしました。
とても楽しい動物園見学でした。残念ながら?スケッチしている人は見かけませんでしたが。
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