2015年9月19日土曜日

カランダーシのロシア旅①(旅の始まり)


こんにちは、モスクワ!
 初めての一人旅。初めてのロシア。このふたつの組み合わせは、ちょっとどうなんだろっていう思いを抱きつつも、急に出版を決めた絵本「わいわいきのこのおいわいかい きのこ解説つき」制作作業に忙殺された夏が過ぎようとする頃、印刷会社に何とかギリギリでデータを渡し、あわてて大きなトランクに荷物をぶちこんで、私は成田からモスクワへ飛び立ったのでした。

 で、旅行を終えて感想をひとことで言うと、「行ってよかった」に尽きます。でも本当、勇気、絞り出しましたという感じ。往きの飛行機では、映画「マッドマックス 怒りのデスロード」を観ていたのだけど、途中、張り詰めている気持ちを揺さぶるようなドキドキ感に耐え切れず、刺激の少なそうな「脳内ポイズンベリー」に変えたくらい。でも、帰りの飛行機では「マッド」の続きをすんなり観られたんですね。ロシアにいる間、緊張はずっとしていたのだろうけど、それに勝る好奇心と興奮に導かれ、経験値を上げ、少しはたくましくなったのかもしれません。

機内食は往きも帰りも全て完食
 以前から仕事柄、いつかはロシアへ行く希望はもっていたのですが、現実的に旅への背中を押してくれたのは、私のロシア語の先生ですね。ロシア在住の経験から以前からロシアの魅力や面白さを教えてもらってはいたのですが、ぼんやりしたロシアへの憧れをどんどん具体的なプランに置き換え、現地での強力な助っ人まで紹介してくださるにいたり、もう行くしかないと心を決めたのでした。いわゆる集団のツアーでは行かないようなところにしか関心がない、ちょっと変わった旅人がこうして誕生したのでした。そう、そして、家族の理解と応援!心配しながらも私を強力サポートで送り出してくれました。

 カランダーシの初ロシア旅。旅の計画の柱のひとつは「うさぎのいえ」の画家ラチョフ氏代理人へのご挨拶。ひとつは商品の仕入れ。ひとつはロシアの子どもと子どもの本事情を知るための場所へ行くことなどでした。そして、「きのこ狩り」という夢のようなプランが、現地での強力なサポーターを引き受けてくださったコーディネーターMさんのご厚意で実現できることとなり、ロシアの森ときのこを楽しむ、という素敵な計画が加わったのでした。

 さてさて、モスクワに着き、迎えに来た時速100キロ超えなんて当たり前なタクシーの後部座席には見回してもシートベルトはなく、躊躇ない強引な車線変更や割り込みにおののきながら「これがロシアか」と思った次第。外を見ると日本車率高し。そして目に飛び込んでくる白樺の林!林!林!


きのこの棚
 ホテルでは、先生と練習した「チェックインの会話」を行使して、パスポートもすぐ返してもらえたし、朝食の時間も教えてもらったし、6階の一番隅っこの部屋に着いた時にはホッとしました。と同時に一瞬すごいホームシック感に襲われたのも事実。

 でも、夕方早い時間だったので、私は果敢にも?フロントへ出かけ、近所のスーパーマーケットの場所を聞いて出かけたのでした。どんな場所に行っても、その地のスーパーや市場を見るのが好き。そういう場所に行けば、その地の暮らしぶりに触れられてぐっと親近感が増します。ホテルから5分の場所にあった複合ショッピングセンターの地下の食品売り場は、私にとってロシアでのファーストわくわくワンダーランドスポットになりました。

 そう。全ての棚をゆっくり見ながら、私は自分が随分と旅の緊張から開放されてくるのを感じていました。あ、お醤油や寿司酢だ、あ、おなじみのチョコレートもたくさんある。え、きのこ瓶詰め、缶詰がこんなにあるの?お惣菜も売ってる、いい匂い!家族連れ、ママは仕事帰りかな…。そして、私はロシアで初めての小さな買い物をしました。ケーキの花飾り。これはかわいい!

思わず購入
 夕食は、ホテルのカフェでサンドウイッチとピロシキを選んで、使ってみたかったフレーズ「С собой. пожалуйста.スサボーイ。パジャールスタ(お持ち帰りをお願いします)」でテイクアウト。でも、その後、お店の人に早口でぺらぺら話しかけられたのだけど、それは残念ながらよくわからなかった。後日、ロシア語の先生が言うには「スサボーイという結構慣れた?言葉を知っているから、この人は話しかけても大丈夫と思われたのかもしれませんね」とのこと。そうなのか。ごめんなさい。


 といういわけで、いよいよ次の日から、本格的ロシアの日々が始まるわけですが、バスタブにお湯をはりながら、洗濯ものをごしごししながら、「今、私はロシアにいるんだな、嘘みたい」なんてなんとも不思議な気持ちでいたわけで、ああ、そんな自分が今ではとても懐かしいな。

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